予算を掛けずイノベーションを加速させるコツ
イノベーションとは費用で成功するものではない
現存する組織や業務を改善し、全く新しい価値観を生み出すのがイノベーションですが、それを成功させるためには必ずしも多額の費用をかける必要はありません。
むしろイノベーションとは、お金をかけずに革命するという事の方が本質的な意味を持ちます。
よくイノベーションというと大規模な改革を大胆に行うことのように伝えられますが、実際のイノベーションというのは何かを劇的に変化させるというよりも、むしろ現在当たり前に行われていることを前例に従わず大胆に改革するというところに意味があります。
それとイノベーションにありがちなのが、経営者や現場などサービスを提供する側の立場の人だけで考えて行ってしまうという例です。
これは最初の多額な費用をかけてのイノベーションにつながってくる話ですが、経営者やそれを実行する側の人間が「これはいい」と思って社内の予算を大幅に使って行うケースが見られます。
本来的なイノベーションというのは、経営者目線の自己満足ではなく、それをすることによって何らかの反応が社会的に起こっていくものです。
ですのでイノベーションをこれから行うという場合には、サービス提供者の独りよがりにならないよう、常に結果を計測しながら進めていくことが大切になってきます。
完成してから進めようという意識を捨てる
現在の企業活動においては、インターネットやスマートフォンの機能を利用したサービスは欠かせません。
これは新たに進めている事業やサービスが世間的にどのような評価を受けているかを視覚的に計測することができるようになった、という意味でもあります。
従来のような製品製造としての開発事業においては、製品の完成度の高さがそのまま企業への評価となってきましたが、現在ではそうした完璧さは求められなくなっています。
むしろどこよりも早くにサービスを提供し、そこから改良やアップデートをしていくというスタイルの方が、より時代のニーズに合った事業を提供しやすくしているのです。
そのためイノベーションを加速させるためには「小さく始めて大きく伸ばす」という考え方が必要になってきます。
新たな事業を始めるにしても、最初から大規模な施設や機械を購入するのではなく、まずはその事業を行うことができる最低限の設備から始め、そのあとの経過を見ながら規模の拡大・縮小をしていくのがよい方法です。
一つやったらもうそこで終わりと満足をするのではなく、より高みを目指していくという継続的な姿勢が、これからのイノベーションを成功させるための鍵になってきます。
そのためには自社のサービスの人気を計測したり、競合他社の動向を調査したりといった情報戦略も必要です。